追加の平日クラス。今日は初めまして、の生徒さんに、園つながりでの参加の方々、など、いつもとはまた違った空気。毎年12月の教室では、部屋の片隅に飾ったクリスマスツリーからお好きなジンジャーブレッドを1つ選んでいただいて、まずはお茶と一緒に一息ついていただいている。
みんなでキッチンに立っていると、時折、生徒さんからの「いい香り!」の声。オーブンからのカップケーキの香りに、続いてミートパイの香り。それから、ゆずの香りに、炒めなますにごま油を回したときの香り。そして、一番だしがひけたときの香り。やっぱり、かつおぶしとこんぶでひくだしの香りとおいしさはなにものにも変えがたく。
日々、こうやって、丁寧にだしから、というのは、なかなか難しいので、使い分けでいいのだと思っている。私自身、日々の料理では、かつおぶしの厚削りをお茶パックに入れ、例えば、味噌汁の具材を煮ながら、一緒に投入、といった具合。が、お椀、特に清汁仕立て、いわゆるおすましを作るときには、やっぱりこの一番だしのおいしさがすべてを決める、といってもいいほど。ご参加の皆さんの復習も兼ねて。まずは鍋に水と昆布を入れ、弱火にかける。ゆっくり、ゆっくりとあたため、昆布だしをひく。ぬめりを出さないために沸騰直前で昆布を取り出し、昆布臭さを取るために火を強め、1度沸騰させる。沸騰とは、鍋の真ん中から大きな泡がポコポコと出てくる状態。そこで火を止め、かつおぶしを全体に広げながら、入れていく。目安として、広げたかつおぶしで鍋の底が見えなくなるくらい。これを5分ほど置き、漉せば、調味料なしでもおいしくいただける上等な一番だしのでき上がり。
ひいただしに調味料を加え、吸い地を作るのだが、出来上がったものを味見してみると、ちょっと薄いかな、の印象。これでよし。ここでばっちり味が決まってしまっていると、食べ終えたときにちょっと飽きてしまう。ちょっと薄いかな、くらいで食べ終えたときにちょうどよくなる、イメージ。実は料理全般言えることかも知れない。
お雑煮に炒めなます、栗きんとん。和食の魅力を改めて、しみじみと。やっぱり最後は落ち着くところ。みなさんを見送り、無事今年最後の教室が終わり、ひっそり、1人で感慨深いものがあり。ゆふきが生まれて、教室を再開してはや1年。再開したばかりの1年前とはまた違った想いあれこれ。あとは、明後日の大磯試作、そして、最後に迎えるのが、私にとって、毎年の締めくくりである「おせち」。今のうちに束の間の一休み。
今日も、ご近所の友人に救われて、無事教室開催となった運び。さらに心優しい配慮には感謝の気持ちでいっぱい。楽しい時間を過ごしてきた様子のゆふき、いつになく長~い昼寝。微動だにせず。
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