
子どもたちを父母にお願いし、静岡の街へ。銀座で上映中、足を運ぶチャンスを逃していた映画「エル・ブリの秘密」。なんとも運良く、今月半月ほどだけ、静岡でも上映!、ということで、これはなんとしてでも観に行かなくては、と。
今は閉店してしまった、あの、伝説の三ツ星レストラン「エル・ブリ」での、料理界の風雲児、フェラン・アドリエ率いるシェフたちの厨房にカメラが密着したドキュメンタリー。半年間のオープンに向けて、アトリエでの新しい料理の、まさに「研究」と「開発」など。誰も作ったことのないものを生み出す苦悩と焦燥、そして、喜び。そんなときに、時折見せる、フェランのどこかあどけなさをも感じるような表情が印象的。フェランの、「仕上がりはどうにでもなる。大事なのは、何かと何かを合わせたら、といった確かな発想」、そんなニュアンスの台詞が心に残り。たとえば、コクと食感、香りと香りの組み合わせなど。世界中からの期待を大いに抱えながら、それに対し、「エル・ブリ」といえば、これでしょ?、といった調理法を用いるのではなく、まったくの新たな驚きともちろんのおいしさで応え続けること。
日本の食材もあれこれ。ゆずに抹茶、柿など。それから、私も日々、粉ものではお世話になっているお店のパッケージが目に入ったときには、「あっ!」と思わず声が出そうに。とにかく113分、まったく目が離せなかった。「食材」や「調理方法」の可能性をどこまでも追究すること。そして、想像しうる可能性を限りなく追求すること。
帰り道、「静岡市美術館」に併設されたカフェに立ち寄り、その余韻に浸るべく。「静岡ブレンドティー」の中から、今日はゆず、に反応し、緑茶とゆずのブレンドをいただきながら。ありがたい刺激となり。
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