
9.10月レッスンのラストウィーク。いつもながら、名残惜しく、すっかり愛おしさ増す「秋のフレンチ」レシピ。
今回、特にみなさんからご好評いただいている、「鮮魚のポアレ ハニーマスタードソース」に添えるのは、「秋野菜のエチュベ」。
こちらもなかなか魅力ある付け合わせの一品。
「エチュベ」、ネーミングだけ耳にすると、とても難しそうな、決して普段使いではなさそうな印象なのだが、その予想を裏切るような、かなり手軽な一品。
「エチュベ」とは、フレンチの「蒸し煮」。「蒸し煮」の中でも、水分の量によって、いろいろな呼び名があるのだが、水分をまったく加えないか、ほんの少し加える調理方法を「エチュベ」と呼ぶ。ちなみにひたひた弱の水分で蒸し煮することを「ブレゼ」、たっぷりの水分なら「ポシェ」、と分類され。
そういえば、今日ご参加の生徒さんが、以前登場した「エチュベ」の料理を覚えていてくださっていて、日々にも活躍している、とのうれしいお話など。以前もやはり魚料理と合わせ、同じフライパンで一緒に仕上げた記憶。
今回は、少々の白ワインヴィネガーと水を加え、秋野菜のなすとさつまいも、そしてしめじにえのきにエリンギにさっと火を通し。
特にきのこは火を通し過ぎると、おいしいエキスがほとんど水分として出てしまい、クタクタっとしてしまいがち。あまり加熱しすぎず、火を入れて、早めにボウルなどに移し換えて、火の通りすぎを押さえつつ。味付けは、塩をパラパラっと、そして秋の雰囲気を演出するのが、「ガラムマサラ」。そう、カレーなどの仕上げに使うスパイス。みなさん、1度は、よおし、おいしいカレーを作ろう!、と気合を入れて、買ってみるものの、なかなか消費しきれず、持て余してしまうスパイスの代表選手なのでは。
今回は、火を入れたエチュベの仕上げに、ガラムマサラをぱらぱらぱらっと。口にした時にふわり香るガラムマサラの魅力たるや。使い方のポイントは、エチュベがあたたかいうちに加えること。スパイス全般にいえることなのだが、あたためられるとその香りが際立つので。
実は、案外、使い勝手のある「ガラムマサラ」。少し前のレッスンでは、「チリコンカン」の仕上げに加え、ぐぐっとスパイスの雰囲気を演出。それから、シナモンやナツメグなども入っているので、ハンバーグなどのひき肉料理の下味にもよし、それからちょっとおもしろいところで、パウンドケーキに加えたり、クッキー生地に加えたり。実はチョコレートとも相性が良いので、チョコレートケーキに加えたり。以前のレッスンでは、生クリームをトッピングしたカップケーキに、ガラムマサラをぱらりぱらり、そんな使い方も。
秋冬のスパイス感を演出してくれる、なかなか魅力的な存在。

さて、11.12月レッスンに向けて、それからまだまだ続く撮影に向けて、ここしばらくはいつも以上に試作の日々。
それにしても、いつになっても食材の新しい魅力を感じたり、うれしい発見があったりするもの。そして、食材って美しいなあ、と。
まだまだ作りたいもの、作ってみたいものが山のように。
11.12月レッスンは、毎年恒例の、「クリスマス&おせちメニュー」。
ようやくメニュー全体がなんとなくまとまってきたところ。
重箱に盛り付ける前菜には、クリスマスにもおせちにも活躍しそうな酸味のあるもの、お手軽パテなど。それから普段使いにも活躍しそうな、具だくさんのだし巻玉子。そして、常にリクエストを多くいただいているテリーヌも登場予定。そして、こちらもすっかり恒例の「ご当地雑煮」。今回は東北でのだいぶ北の方を思案中。そしてデザートは、自分でもできるデコレーションを習いたい、そんなお声のもと、シフォンケーキに楽しいクリスマスデコレーション!、そんな感じにまとまりそうなところ。あっという間にそんな季節になりそうな気配。


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