
平日クラス。
「秋の創作イタリアン」。「お菓子はあまり作ったことがなくて・・・」、そんな彼女が担当したのは、今回のデザート、「キャロットケーキ」。パウンド型で焼く、菜種油を使った、シンプルなレシピのキャロットケーキ。
まずは生のにんじんを、フードプロセッサーでみじん切りにするか、すりおろし。ボウルに卵と砂糖を入れ、もったりとするまでハンドミキサーで混ぜ、今度は泡立て器に変えて、菜種油を加える。少しずつ加えると、いわゆる「乳化」をし、よりもったりと。そして、牛乳を。今回は、キャロットケーキ、ということでにんじんを加えるのだが、季節の野菜やフルーツを加えてのアレンジが可能。かぼちゃに、そのままでちょっと大味なトマト、それからほうれん草などの青菜など、野菜あれこれ。それからフルーツ全般。牛乳は、加えるフィリングの水分によって、調整。水分が多めのときには少なめに、など。牛乳を加えてからは、生地をなるべく潰さないように、ささっと軽く混ぜ。そして粉類と細かくしたにんじんを加えるところからは、ゴムべらに持ち替え、さっくりと全体を合わせる。ここでも、混ぜすぎは厳禁。生地の膨らみが圧倒的に落ちるので。多少、粉っぽさが残っているくらい。というのも、パウンド型に流す段階でもゴムべらが生地にあたり、多少混ぜられるので。。型に流してから、トッピングにくるみやカシューナッツ、アーモンド、かぼちゃの種などのナッツをふんだんに。一気に秋色の眺め。今回は生地にシナモンパウダーを加え、こちらも秋色演出。
菜種油を使ったお菓子を焼くときのポイントは、「焼き過ぎないこと」。バターを使って、同じサイズの、たとえば、パウンドケーキを焼くとき、バターの量は菜種油の量よりもだいぶ多くなる。菜種油が同量だと、かなりオイリーな印象になるので、その分、牛乳の水分で整える、というか。なので、バターを使った焼き菓子よりも、油分が少ない分、焼き過ぎると、パサパサ、ぼそぼそとした印象に。焼きを控えめにして、焼き上がりにもほどなく、ラップなどをふわりとかけて、保湿、保湿。このあたりが、ちょっとしたポイント。
植物性油脂を使った焼き菓子の魅力。作るところからいえば、なにより計量がしやすく、そして、バターに比べると、コストもだいぶ抑えられる。そして、そのお味。素朴ながらも、整った、優しい風味は本当に飽きが来ず。そして、数日たっても、しっとりおいしく。食感も甘さも軽くしているので、おやつにはもちろん、朝食や軽食代わりにもぴったり。とはいえ、時に、リッチな、バターの風味溢れるお菓子ももちろん恋しくなる。なので、使い分け。食べたい気分や冷蔵庫事情などなど。
教室では、焼き上がって、少し落ち着いたところ、時にまだほんの少しほのあたたかいところを切り分けて。今回は生クリームとヨーグルト半々をホイップした、優しい酸味のあるクリームを添えて。切り口全体に、優しいにんじん色、そして、しっとりしながらも、ふわあとやさしい口当たり。しっかりり余熱がとれたら、お好みで冷蔵庫へ。生地がすっかり落ち着いて、甘さも味わいもコクもより感じられ、まただいぶ違った印象。まさに、それぞれに、それぞれのおいしさ。本来はすっかり落ち着かせたものの方が、味覚的にはよりおいしい、のだろうが、たとえば、自分で作って、できたてをいただく、そんなシチュエーションも大切なおいしさの要素。
さて、この生地、砂糖の量をぐぐっと押さえて、塩を少々加えれば。教室でも何度か登場した、「ケーク・サレ」の生地とまったく同じ。フィリングや、どんな風に作りたいか、によって、同じレシピから派生するおもしろさ。
ということで。みなさんのお見送りし、キッチンの片づけをし。明日の長男あてはの運動会に向けて、「ケーク・サレ」の仕込みなど。今日は、教室で余ったきのこもフィリングに加えて。それから、昨日仕込んだテリーヌを切り分けて。さあ、明日から始まる3週連続運動会!

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