散歩へ向かう母とあてはを見送り、今日は平日クラス。我が教室、唯一メンバーほぼ固定のこのクラス、毎回同じ顔ぶれならではのよさがあれこれ。それぞれのキャラクターを理解した上での会話のやりとりなど、ボケと突っ込みに流れがある、というか。今月のテーブルの上にはお正月に川根で拾ってきたフウの実を飾っている。「あっ、トゲトゲ!」とお花屋さんの彼女。お花屋さんではクリスマスシーズンをメインにかなりの頻度でアレンジメントに使うアイテムで、通称「トゲトゲ」だとか。来年のクリスマスシーズンにも十分使える、とのこと。しっかり保管しておかなくては。今月のメニュー、メインにラザニアにどうしても注目が集まりやすいのだが、そんな主役をしっかりと引き立てるべく、前菜は「牡蠣と帆立、菜の花のゆずマリネ」。爽やかな海の香りにゆずとイタリアンパセリの心地よいアクセント。そして菜の花と一緒にあしらわれたゆずの優しい黄色は菜の花の色合いにも近く、春の気配。今回は生食用の牡蠣をささっと霜降りし、すぐに氷水で締め、周りだけにさっと火を通す。味や香りはほぼ生牡蠣の印象なのだが、身がほどよくぷりっと絞まり、牡蠣のミルキーさをより引き立てる。それにきゅっ、ぷるんとほどよく引き締まった身質の美しさ。魚介をこうやって霜降りしたり、立て塩につけたり、焼き霜にしたり(表面だけをさっと焼く)、こういう一手間でその食材のよさがより引き出される和食のテクニックは今回のイタリアンに然り、料理のジャンルにとらわれることなく、食材を生かすという意味で幅広く活用している。ついでに言えば、私のレシピではほぼ毎回登場するのが、肉や魚の下味。まずは少々の塩と酒。これはもともとチャイニーズレシピからのものなのだが、すべてのジャンルにおいて、この下味の効果は絶大。料理の歴史に感極まりつつ、こうやって「私の料理」が形づいていくのだろう。教室終了後は、今日もマイホームサロン。生徒さんでエステティシャンのキヨコさん、「私もここでいろんな人の顔を勉強できるから。」とほぼ儲け度外視の料金設定には心から感謝。しっとり、やんわりな口調ながらも時折のぞかせるきらりと光るプロ意識。いつのまにかサロンルームに侵入し、居座っている様子のあては。後から聞けば、「小さいおじさんが見える。」と引き出しを開けたり、とあちこち探していたとか。怪しすぎる。最後はもちろん私も。ありがたい至福の時間。もしかしたらいびきをかいていたかも。そしていつの間にか一緒に横たわっていたあては。
スポンサーサイト