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我が息子よ


 朝からオーブンフル稼働、注文のお菓子を焼く。と、ポルボローネの焼きが、いつもと違う気配。材料を合わせる前に、まずは粉を空焼きし、しっかり水分を飛ばすのが特徴のこのスイーツ。水分を飛ばしているからこそ、オーブンでの焼き時間中にも通常のクッキーのように生地が大きくなることなく、のはずなのだが、今日はやや大きくなっている。背筋がぞっ。余熱をとった1つをつまんでみると、焼きの甘いショートブレッド風。つまり、明らかに最初の空焼きが足りなかったのだ。敗因は明快。いつもは少量をフライパンで空焼きするのだが、さすがに120個分、ということでオーブンでの空焼きに挑戦したのだが。わかりやすい私のパニックに気づいたあては、心配そうに「お塩入れちゃったの?」と。「どうしよう、あては~!」とまさにあてはにもすがる思い。こういう状況には滅法弱い私。「あては、今から一緒に材料買いに行ってくれる?」「いいよ!」と急いで玄関に向かうあては。3才ながらにも、まるであたふたしている私を守ってくれているのだ。そんなあてはに救われて、一気に気持ちが落ち着き、大丈夫、大丈夫、間に合う、間に合う、と。昼過ぎの電車に乗って、いつものお店で、大急ぎ、材料を調達し、ついでに気合入れにまい泉のかつサンドなど。夕方のあてはのプールを済ませ、夕食の準備と同時進行、お菓子作り再開。と、夕食ができた瞬間に眠りに落ちてしまったあては。後から思えば、これもある意味、私への想いだったのか。思いがけず、夜のキッチン、秋の虫の音を聴きながら、心落ち着いての作業。1階キッチンに1人こもる夜は本当に久しぶりだった。そして数時間後にずらり焼き上がったポルボローネが並び。最後の作業、1つ1つに粉糖をまぶし、と終わりかかる頃にあてはの声。そしていつもよりずっとずっと、ずっと遅い夕食。寝室で、あてはの寝顔を眺めながら、いろいろな思い。まずは自分の甘さを痛感。後から考えれば、なぜ気づかなかったのかが不思議になるくらい、そんな詰めの甘さ。そして、こうやって日々、あてはに支えられていることの実感。頼もしき我が息子に感謝。
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Author:くにたちの食卓 いづい
くにたちにある小さな食のギャラリー、「くにたちの食卓 いづい」。料理教室や食のイベントなど、「食」を通して、人が集まる場所です。
ホームページをリニューアルしました。http://kunitachinoshokutaku.com/

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