
焼津でののんびり夏休みも今日でおしまい。父と母に見送られて、出発。気づけば、いつになく長い帰省。見送った父と母、寂しそうであり、どこかほっとしてているようであり。パオが居なくなった今、今日から今まで以上に静かな2人の生活が始まるのだろう。
渋滞情報により、急遽、朝霧高原を抜けるルートに変更。ということで、思いがけず、「ビオファームまつき」に立ち寄ってみることに。山の中腹ほど、とでもいうのか、周辺には民家や牧場。そして一面に畑が広がり。青い稲穂が朝の雨にしっとりとし、それはそれは美しい眺め。レストランオープン前、ぴしっとスーツを着こなした松木さんにもお会いでき、今日はお菓子と野菜を買って帰り。ああ、改めて、食事に来るチャンスを狙って。
霧が一面に広がる高原を抜けて、まかいの牧場へ。オーガニック農園レストランのランチビュッフェへ。自らビュッフェに行くことはまずないのだが、静岡への帰省=期間中に1度はビュッフェに行くべし!、と隣から声なきリクエスト、いつからだったか、そんな流れがあるようで。地産地消、そして牧場ならではのものもあり、まあ、時にこういうのもいいかも。
さて、車を走らせて、天然記念物「富岳風穴」へ。富士山からの溶暗洞窟の中を歩いていくと、神々しいほど氷柱の自然美。そして、さすが天然冷蔵庫、寒い!!この夏の人気スポットなのも納得。寒い、寒い、といいながら、地上に出てからはとうもろこしのソフトクリームを頬張り。
山を越えて、の帰り道。時にウトウト、トロトロしつつの私。そしてぐっすりの子供たち。あてはが目を覚ましたのは、いつものショッピングモール、いつもよりだいぶ遅い時間ではあったが、いつもの週末のように買い物をし。
ああ、やっぱり自分の家に帰るとなんともいえないうれしい気持ち。いつもそうなのだが、とにかくものが多く、色使いもよくわからない実家。国立の家に帰ると、心も体も、特に目がほっとしてるのがよくわかる。今回の帰省、私自身、いつになくたくさんの食探訪もでき、そして有意義な話も弾み、となかなか実のある帰省となったはず。それから、改めて、静岡の魅力もしみじみ。楽しい、やいづの夏休み最終日。

静岡の街へ。今日もいとこアキエちゃんのお店に顔を出してから、ここ最近の帰省の際にはついついふらりと立ち寄る街1つ、鷹匠町へ。閑静な住宅街とちょっとした小道に小さなお店が点在する、散策の楽しい街。
今日はそんな鷹匠町にあるマクロビカフェ「ロコマニ」へ。「行きたいお店があるんだけど。」とお店にての待ち合わせ。「食」を通して知り合った彼女、到着すると、「久しぶり~!」とキッチンに声をかけ。ああ、やっぱりお知り合いのお店、だったのね。と、地元ならではの食ネットワーク。注文のランチプレートがほどなく運ばれ。メインの「オートミールボール」が絶品。かりっとした衣に、優しくもちっとした生地、そしてコクもあり。合わせた優しいしょうゆベースのあんとの相性もよく。思わず、レシピを伝授していただき、国立に戻ったら、すぐにでも試作してみたい一品!
帰省の際になかなかタイミングが合わず、気づけばかなり久々の再会。なのだが、そのブランクを全く感じない会話。が、それぞれの子供の成長を確認すると、ああ、だいぶ月日が流れているのだなあ、と。お菓子とパンのスキルはもちろん、「食」を通しての、人との関わり方、つながり方など、やっぱり彼女の才能、そして魅力を感じる。
食後にいただいたスイーツ、「マクロビ」を楽しみながら、おいしさを感じる甘さとコクも十分。オーガニックコーヒーともバランスよく。それでいて、食べ終わってからも、まったく胃に負担がかからない感覚。「次の帰省でもタイミング合いますように。」と、お店の前で別れ。
国立から車を走らせてきただんなさんと駅前で合流し、1週間の報告をし合いながら、焼津へ。と、家の前にはうれしそうに飛び跳ねる子供たちの姿。聞けば、だいぶ前に、「あては~!」と叫ぶ私の声が、あてはには聞こえたとか。そうそう、それは私の心の叫び。
夜は、町内会の納涼祭へ。昨年同様、トンボマグロの刺身に黒はんぺんのフライ、枝豆に漬け物などなど。もちろんビール片手に。地元ならではの、なんともいえないほのぼのとした感じ、そして地元ならではのご近所さんとのつながり。納涼祭の最後は恒例の抽選会。すっかり寝ぼけ眼のあては。今年も外れか、と諦めかけていた頃、父の名が呼ばれ。慌てて、景品を受け取りに行くあては。受け取った景品、洗濯洗剤、1箱、以上。ほろ酔いの父は、帰り道、ご近所さんにすれ違うたびに「当たったよ!」、「いやあ、初めて当たったよ!」、「ありがと~!」とそれはそれは大げさの上機嫌。「まるで市会議員選挙にでも当選したみたいだね。」、まさにそのコメント通り。あてはもあては、玄関を開けた瞬間に、「のばちゃ~ん、当たったよ~!」と。国立へ帰る前日、楽しい夜。

お散歩しながら、焼津港を目指す。港には大型の遠洋漁船が間近に、こんな眺めも日々、だったのだなあ、と。
港沿いを散策し、近くにある「焼津漁業資料館」へ。昔ながらの資料館なのだが、実は初めて訪れる。焼津の漁業に関する資料が展示された資料館。まず目に入ったのは、1階奥にどんと鎮座する木造のかつお漁船。もちろん吸い込まれるように中に入っていく子供たち。そして、操縦することしばし。「ゆふき隊員!」と、オリジナル設定で盛り上がるあては、そして、大きな、大きな木製の舵輪に完全に魅了されたゆふき。
焼津にゆかりのある小泉八雲が滞在していたものと同様式の漁民の家には火鉢に米櫃、ゼンマイ時計などがほの明るく照らされ。2階には使い込まれた船大工道具や漁具など。古道具のシンプルな作り。
駅方面に進み。暮らしていた頃にはこんな風に焼津の町を歩くこともほぼなく。今こうやって、離れた地として、時に訪れる地として。「あては、かき氷食べに行こうか?」 家近く、古びた商店街の端にあるお味噌やさん「こうじや」へ。ふと思えば、この夏初氷。今回の帰省も残すこと数日。いつになく長かったかも。母についつい嫌な言葉を発し。1週間を過ぎると、いつものパターン。そして、さりげなく間に入ってくれる父。これもいつものパターン。
帰りの車には、私たちと一緒に、子供の頃に回して作ってもらった、懐かしのかき氷器も乗車予定。「家庭用氷削り器」、それはそれはレトロな箱に入ったかき氷器。

富士宮方面へドライブ。妹夫婦、あては、私の4人というなんとなく新鮮な設定。が、完全に私好みコースなり。
まずは、朝霧高原手前にある牧場「いでぼく」へ。高原周辺には牧場がいくつもあるのだが、ほどよくこぢんまりと落ち着いていて、製造品も充実している、ということで。かなり前に訪れたときにはなかったチーズ工房やカフェができていて。みんなでアイスクリームをほおばり。
続いて、パン屋さん「グチパン」に立ち寄ってから、今日のお目当て、「ビオデリ」へ。ここ最近は静岡ではだいぶ有名人となりつつ、「ビオファームまつき」の松木一浩さんのお店の1つ。富士宮市にて、無農薬野菜を生産しながら、レストラン経営、教室や講演活動などなど、「農業」の新しい形を日々追求されている方。そんな松木さんの採りたて野菜をカジュアルに楽しめるデリのお店。
料理を待ちながら、松木さんのレシピ本をついつい真剣読みなど。本の中でも、そしていただいたものも、野菜をおいしく楽しむ、そんな印象。揚げ野菜と生野菜をうまく取り合わせたマリネは、野菜を熟知しているからこその使い分け。カットもほどよく大ぶりで、1つ1つの野菜をしっかりと堪能できる。そして、1つの料理にカットされたじゃがいもが数種類。いつものじゃがいもいろと、赤、黄色、など。テイクアウトしたルッコラとごぼうのクッキーも、それぞれに材料とする価値をきちんと感じるおいしさ。次回はチャンスを見つけて、ビオファーム内のレストランにぜひぜひ足を運びたい、そんなたくらみを再確認して、の帰り道。この秋には静岡市内に新たなお店をオープン予定、ということで、こちらも次回の帰省ではぜひぜひ立ち寄りたく。着実に、ご自分の夢を展開していく、そんな姿も目が離せず。
ほど近くのコーヒーやさん「てんカフェ」にてコーヒー豆を買い、帰路へ。と、どう考えても、やはり私コースの1日。お休みをとってくれた上に、運転まで引き受けてくれて、ついでに、野菜の解説付き、と心から感謝。おかげで、私にとっては有意義な食探訪の1日となり。
今日、ゆふきの子守を買って出てくれた母、なのだが。帰ると母が片足を不自由そうに運び。ゆふきおんぶがひびいてしまったようで、ああ、申し訳なく。

のんびり実家生活。1日1日がどこかゆっくりと流れていく感覚。その理由の1つなのかも、朝はなぜか父と一緒にラジオ体操に参加、の日々。ラジオ体操歴数十年、表彰までされている父、今はみんなの前に立って、お手本の人、となっているらしく。寝癖つきあてはも、近所の子たちと一緒にスタンプカードを首にかけ。そこそこまじめにやってみると、あまりに久しぶりにラジオ体操もいいもの。ということで、いつになく、さわやかな朝を満喫中。こんな流れで、朝早くから時間がたっぷり。ここ数日は午前中にしっかり子供たちを遊ばせて、午後はのんびり過ごす、そんなパターンの日々が続き。
今日も午前中に、子供たちを連れて、「ディスカバリーパーク焼津」へ。昨年の夏にも訪れた、最先端プラネタリウムのある科学館。まずは、展示室中央に大きくスペースをとった「ダンボールランド」。ネーミングの聞こえからはあまり期待できない印象、だったのだが、恐るべしダンボール。まずは展示スペースにはよく見れば、すべてダンボールで作られたオブジェなど。愛らしい動物もあれば、抽象的な造形、と完全にアート。特にダンボールを何層にも重ねて作られる曲線の美しさ。そして、展示の1つにもあったロケットダンボールすべり台の実物を始め、シーソーに木馬、迷路、平均台、などなど、実際に思いっきり遊ぶことのできる遊具がたくさん。驚くほどの強度、そして、どこか優しい肌心地。ということで、思いっきり駆け回る子供たち。
海沿いというロケーション、外に一歩出れば、潮の香りが広がり。海沿い、松の木々の下の木陰は風が流れ、想像以上に涼しく、多くの人たちが涼を求めて、のんびり過ごしている眺め。踏み石遊歩道を何往復もし。海がそばにある日々、暮らしていた頃には気づかなかったことあれこれ。
おやつにドーナッツ作りなど。実家にいても、ちょっと時間があると何か作りたい衝動に駆られ、とじっとしていられない、悲しい性分。コップとペットボトルのキャップでドーナッツ型に成型し。こうやって、実家のキッチンにてお菓子作りをしていると、不思議と昔の感覚と重なり。レシピ本などとにらめっこしながら、「初めてのもの」を作ってみた想い出。

子供たちをつれて、静岡科学館「るくる」へ。駅前ビル上階、「みる、きく、さわる」をキーワードに科学の不思議をいろいろな形で体感できる科学館で、以前からあてはを連れていきたいと思っていたスポット。
かなり興奮気味に、走り出すあては。さまざまな展示を試しつつ、他のものが気になっている姿、ああ、私を見るような。まだまだ、1つ1つの展示をその仕組みまで理解しながら、とはいかないものの、今はその現象自体を楽しみ、といったところ。が、きっとこれからも帰省時のちょっとした立ち寄りスポットとなるのでは。今のあてはが特に興味を持ったのは、ボールを使った展示あれこれ。空気のおもしろさを体感、スタートで空気が出てくると、ボールが宙を浮き、その動きに夢中になったり、回転の向きを楽しむ展示などなど。そして、じっくり取り組んだのは、「カプラ」。小さな薄い木片を積み重ねてみたり、並べてみたりしながら、造形したり、自由に楽しんだり。そういえば、先日訪れた「東京おもちゃ美術館」でもどっぷりはまっていた記憶。各フロアの一角には小さな子向けのキッズスペースもあり、こちらはボールプールに夢中ゆふきなど、とそれぞれに楽しめたのでは。
続いて、すぐ隣のビルに最近オープンしたばかりの「静岡ホビースクエア」にさくっと立ち寄り。プラモデルの街、と呼ばれる静岡、タミヤやハセガワなど主要メーカーの展示などずらり。なぜか2度も回ることに。
ゆふきがスヤスヤの隙に、と、こちらも隣接したビルにある「しずおかO-CHAプラザ」へ。茶処・静岡、緑茶に関する施設やカフェはわりと多く。こちらにて、今日は沼津の深蒸し煎茶をいただく。かなり上等な深蒸し、しっかり3煎目まで堪能。まずは低めの温度でうまみを十分に楽しみ、次に温度を上げて、しっかりとした苦み、そして、最後はさらに高温で、まだまだお茶のコクを味わい。こうやって、じっくりいただく緑茶のおいしさ。
さて、駅前を散策しながら、いとこアキエちゃんのケーキ屋さん「マリアサンク」へ。ショーケースとにらめっこすることしばし、今日選んだのは、マンゴーのダブルチーズケーキと白桃のショートケーキ。どちらも季節を堪能できる絶品。特にマンゴのチーズケーキはしっかりと食べ応えのあるタルト生地にまずは焼きチーズ生地、そしてレアチーズ生地が2層の間に今度はマンゴーベースのレアチーズ、とさすがの仕事。しっかりとしたコクとマンゴーのさわやかな酸味、ああ、もっと堪能したかった!というのも、アキエちゃんとのおしゃべりに夢中になっている間に、あっ、お皿の上のケーキはほぼなくなり。「ん~!」と身をくねらせながら堪能していたあてはなのだ。
同い年の彼女、自分のお店を開いて、すでに10年以上、と尊敬する存在。そして、今日はいつになく、有意義な「食」ばなしがたくさん、たくさんできて。まじめに向き合っている姿はやっぱりかけがえのない刺激。お皿にかろうじて残った、ケーキの片隅を残らず、きれいにいただきながら、しみじみ。

午前中早め、子供たちを連れて、親水公園「ふぃしゅーな」へ。タラソテラピー施設「アクアス焼津」に隣接した、海に面した公園。水着姿に着替え、さっそく水遊びの子供たち。岩に囲まれた、まさに海続きの水辺にはかにや小魚など。が、こちらは滑りやすいので、手前に戻し。今日ももちろん、片手にお気に入りスコップゆふき、うれしそうに水をすくっては、父にかける、かける。砂浜をイメージした砂場もあるので、砂場と水辺とを行ったり来たり、とそれはそれは楽しそうに。
お昼前、小学校時代からの友人が車で迎えにきてくれて。中学、高校時代の部活仲間の集まり。今回は初めて、参加者全員が焼津人、ということで、焼津にあるイタリアン「ミルフィオーリ」にて。会った瞬間、オーダーする前から話が止まらず。「ひとまず、オーダーしよっか。」と。みんなでシェアしながらいただいたパスタもピッツアもとにかく味が整っていて。妙な言い方だが、焼津にこんなお店があったなんて、とぜひぜひのリピート予想。そして、ひたすらおしゃべりしていると、いつにまにか、昔に戻ったような感覚。みんなで電車での帰り道を思い出すような。顔を合わせている、その姿がいつにまにかあどけない制服姿に重なったり。それぞれに、それぞれの生活をその人らしく送っていること。それぞれが母となり、また仕事をし、なのだが、やっぱり変わらない。あまりにも昔のままなのがおかしくて。あっという間に時間は過ぎ、「じゃあまたね。」とまるで1週間後にでも会えるような別れ。
家に帰ると、キッチンからはいい香りと香ばしい、をやや越えた香り。母に怒られながら、孫のおやつに、とホットケーキを焼く父。帰省時にはおなじみの光景になりつつ。焼き上がり1枚ずつを母にチェックされ、コメントされている父。

朝、渋滞前に国立へ帰るだんなさんを見送り。別れ際、ぺろっと舌を出し、ぐっと涙をこらえて見送るあては。
今日は子供たちを父と母に託し、ふらり、ありがたい1人時間など。本当にふらり、思い立ってから10分後には電車に乗っていたのでは。
まずは駅前の神社での骨董市を散策し、それから本屋さん時間をじっくり、など。1人ランチに選んだのは、フレンチ「ペパン」。お友達の知り合いのお店で、以前伺ったときにいただいたテリーヌのおいしさに、思わずレシピを伝授していただいた記憶。私のテリーヌレシピのベースはここにあり。久しぶりに伺う。前菜盛り合わせの中に、テリーヌ。ああ、この、主張しすぎず、ほどよいレバーのコク。そして、ラム酒がふわり香り、口の中においしさが充満する感覚。添えられたビストーソースとの相性もよく。
夕方、妹夫婦が到着。みんなで夕ごはんを囲み。差し入れにもらった自然薯でとろろ汁。静岡では、すりおろしたとろろにだし汁ではなく、具のないみそ汁を入れるのが主流。もちろん今日も。ああ美味。今日は焼津の花火大会。昨年から、近くの川原からの眺めがお気に入り、ということで、始まる頃にのんびり向かい、土手に腰掛け。涼しい風に吹かれながら、ちょっと離れた花火を眺めつつ、川原の虫の音も楽しみつつ。途中でのどが渇いたあてはと花火打ち上げ終了間際の帰り道。橋からの、川に反射する花火を楽しみつつ。

午前中早くから、海水浴へ。あっという間に海にたどり着くことが当たり前だと思っていた昔。
さっそく海に駆け出す姿。そして、ゆふきは初めての海水浴。最近は体の一部と化している、お気に入りのスコップをもちろん片手に波打ち際へ。寄せてくる波を怖がっていたのは最初だけ。途中からは淡々と前に進み。泳ぐのが好きではない私は基本、のんびりたそがれ組。日差しはあるものの、東京の暑さとはだいぶ違う。からっとしていて、それなりに風が吹くので、じっとりといやな汗をかくこともなく、シェードなど日影に佇めば、さほど居心地も悪くなく。が、ゆふきを運んだり、なんだりでさりげなく1日で日焼け前進、ああ。
夕方、少し涼しくなってきた頃、ドライブしながら、丸子方面を目指す。ここ最近の帰省ではかなりの頻度で立ち寄るお気に入りスポットの1つ。昔ながらの宿場町の佇まいの中に、陶芸などの体験工房「駿府匠宿」がどんと陣を構える。その周辺には名物とろろ汁専門店が軒を連ね、山を上がっていくと、北欧家具屋さんやピザやさん、ギャラリーなどが点在する。夕方、ひぐらしの鳴き声を聞きながら、みんなで散策など。小道を進むと、小さな神社の社にて、小さなお祭りなど。神社の風情といい、祭りの準備の様子といい、そこだけタイムトリップしたかのような錯覚。山をもう少し上がったところに、いつも訪れたときにはクローズ、チャンスを逃していた茶房「さくら」。古民家のすてきなカフェ。閉店間際すべり込みで、水出しコーヒーをいただき。夕方、という設定もなんとも情緒溢れ、おどろくほどにゆったりとした時間が流れ。手入れの行き届いた、立派なお庭をのぞかせていただき。
夜、お祭り用に仕込んだという、お手製おでんのおすそ分けをみんなでつつき。静岡人にとって、「おでん」は間違いなく、ソウルフード。静岡市街には「おでん横町」が昔から存在し、「静岡おでん」、「焼津おでん」など、それぞれに流派というか、特徴もあり。焼津の母も何かある度に、それは何人分で何日分なのでしょう、というくらいに大量のおでんを仕込み。今日のおでん、あっという間におでんの鍋は空になり。命名「たけおでん」、おいしくいただきました!

東名の渋滞時間を外し、いつもより遅めの出発。途中、御殿場アウトレットに立ち寄り、ほぼいつも定番コースをささっと周り、それぞれの買い物を済ませ。実は1番時間がかかったのが、あては。お目当てのレゴショップにてこれまたお目当てのスターウォーズシリーズに悩む、悩む、悩む。即決タイプにあてはにはかなり珍しいシーン。絵に描いたように2つを手に持ち、見比べてみたり、など。大物は今の目標が叶ったら、のプレゼントということで、今日は手始めものを。
今日は実家の焼津の手前、静岡で高速を下り。駅前で両親と待ち合わせをし、夕方の静岡の街へ。毎年恒例の「夜店市」。3日間にわたる、駅前商店街のお祭り。ちょっと疲れ顔の父と母。それでも孫たちとの再会にそれはそれはうれしそうで。途中から仕事帰りの妹も合流し、寿司居酒屋「ももみ」にてみんなで夕ごはんを食べ。
まだまだ賑やかな帰り道、出店の1カ所で売られていた、いとこ・アキエちゃんのケーキ屋さん「マリアサンク」のお菓子を買い。そういえば、夕方、お菓子をたくさんのせた、重そうなバンジュウを抱え込んで、大忙しでの再会だったのだ。
みんなで車に乗り込んだ帰り道、あてはに話す。「あては、あのね、今日、パオが亡くなったんだって。」私も今日の夕方、父と母に会ってから知ったこと。18才というまさに大往生。ここ数年はすっかり年老いて、動きも鈍くなり。数日前から食事がほとんどのどを通らなくなった、とのこと。昨日から一気に悪化し。毎朝必ず、父の枕元へ行き、一鳴きして父を起こすのが日課だったのだが。今朝は初めて鳴かなかった、と。そして午前11時、安らかに息を引き取った。妹が短大に進学するときに、両親2人が寂しくなるから、と焼津宅へやってきたオスねこのパオ。そして18年。ようやく妹が結婚し、そして新たな一歩を踏み出そうとしている、そんな姿を見届けて、のことなのかもしれない。
家につくと、和室にて静かに眠るパオ。ますます痩せ細った体ながらも、本当に安らかな表情で。長い間、父と母のそばにいてくれてありがとう。